医療一族の中で選んだ歯科医師の道
― 健誠会に入職されて間もないとのことですが、歯科医師を目指したきっかけと、これまでの経歴を教えてください。
長谷川医師 選択の理由は明快です。親戚一同に歯科医師がいなかったからです。いわゆる”医療一族”で、実家が産婦人科、親戚に整形外科・耳鼻咽喉科・内科・小児科・麻酔科と、一通りの診療科が揃っているのですが、唯一いなかったのが歯科医師でした。「医療職に進むなら、誰とも領域が重ならない方がいいだろう」と考えて歯学部に進学しました。
学部を卒業した後、大学院に進学して歯学博士を取得。その後、当時アルバイトをしていた歯科医院にそのまま就職して2年間勤務し、現在の健誠会グループへと転職しました。
― 歯学博士を取得された理由は何だったのでしょうか。
長谷川医師 産婦人科医である父の影響が大きいですね。父の時代は、大学院に行かずに大学に5年間勤務すれば医学博士が取得できる仕組みだったそうで、実際にそのように取得したのですが、相当大変だったようです。父からは「将来必要になったときに苦労して取得するより、4年間で博士号が取得できるなら今のうちに進学しておいた方がいい」とアドバイスを受けました。
私自身も、臨床だけでなくエビデンスをきちんと理解したうえで診療に臨みたいタイプでしたので、大学院進学を選択しました。
― 博士課程では、どのような研究をされていたのですか。
長谷川医師 スポーツマウスガードによる運動機能の向上について研究しました。母校の朝日大学が日本代表合宿の会場だったこともあり、ホッケー日本代表選手全員に個別に合わせたマウスガードを作製・装着していただき、データを取得しました。重りを持って歩行していただき、姿勢の変化やバランスの変化を測定して、「マウスガード装着によってバランスが取りやすくなるかどうか」を評価したんです。
選手によってはプラセボ効果も含めて、明らかにパフォーマンスが向上するケースもあり、「パフォーマンス向上の可能性がある」という結果が得られました。日本代表の選手全員と直接お会いしてお話しできたのは、非常に貴重な経験でしたね。
余裕を持つことがこだわり
― 1日の典型的なスケジュールを教えてください。
長谷川医師 朝は9時30分頃に出勤します。9時55分から朝礼があり、特に配慮が必要な患者さんがいらっしゃる場合はその場で情報共有を行い、10時から診療を開始します。医院によって多少異なりますが、だいたい13時から14時が昼休憩で、診療が終了するのは19時15分頃です。状況によっては19時30分になる日もあります。
― 朝は少し早めに来られているのですね。何か理由があるのですか。
長谷川医師 車通勤なので、渋滞で時間に余裕がなくなるのを避けたいという考えからです。遅刻のリスクを考えるよりも、早めに到着する方が安心できます。結果的に、少し早めに来院してカルテを確認したり、心に余裕を持った状態で診療を開始できているので、自分に合った働き方だと感じています。
― 診療の中で、こだわっている点や大事にしていることを教えてください。
長谷川医師 早めに出勤するのもそうですが、「常に余裕を持って行動すること」を心がけています。そのうえで、診療で特にこだわっているのは、虫歯の徹底的な除去です。そのために「う蝕検知液」という、虫歯菌に感染した部分が着色される薬剤を必ず使用するようにしています。
― 「う蝕検知液」は、一般的な歯科診療ではあまり使われていないのですか。
長谷川医師 保険診療では、使用されていないことも多いと思います。こまめに、少しずつ削っては確認して……という手間がかかるため、その分時間を要するんですね。ただ、教科書的には使用が推奨されていますし、大学院での実習診療では「使用して当然」というものでした。
学生時代からの習慣というか、もちろん「う蝕検知液」を使用しなくても虫歯部分を削ること自体は可能です。しかし、不必要に削りすぎることも、取り残しもない状態を目指すなら、私にとっては必須のツールです。「多少時間を要しても、確実な治療を行いたい」という部分は、どれだけ忙しくても譲らないようにしています。

施術家としてのキャリア
― ご自身は「施術家タイプ」か「マネジメントタイプ」かで言うと、どちらだと感じていますか。
長谷川医師 もともと診療することが好きなので、自分では完全に”施術家タイプ”だと思っています。目の前の患者さんの状態を診て、どのように治療していくかを考えるプロセスが好きですし、自分の手を動かして結果を出していく仕事が性に合っています。
博士課程でスポーツマウスガードを研究していたことも、今の臨床に活きていると感じます。「なぜこの処置をするのか」「どのような根拠があるのか」を、感覚ではなく、できるだけエビデンスに基づいて考える習慣がつきました。
― 研究で培った視点は、今の診療でどのような場面に活きていますか。

長谷川医師 たとえばう蝕検知液の使用もそうですが、「自分の診療スタイル」に明確な理由を持てるようになったのは大きいですね。忙しい現場では、「時間がかかるから」「他の先生がやっていないから」という理由で、手間のかかる手技が省かれてしまうこともあると思います。
しかし、自分の中で「このようなリスクが減らせる」「このようなメリットがある」と理解していれば、多少時間を要しても継続しようという判断ができます。健誠会では、そうした”こだわり”を尊重してもらえる環境がありますので、「臨床力をしっかり磨きたい施術家タイプ」にはとても合う職場だと感じています。
プライベートも大切に
― 歯科診療以外の趣味や、今取り組んでいることも教えてください。
長谷川医師 スポーツ選手と関わっていた影響もあり、筋力トレーニングは当時からずっと続けています。あとは車とゴルフですね。
― ゴルフのスコアはどれくらいなのですか。
長谷川医師 自己ベストはちょうど100です。最近は忙しくてラウンドは年に6回程度ですが、打ちっぱなしには週1回は通っています。やはりラウンドの方が楽しいですね。
― お休みの日はどのように過ごされているのですか。
長谷川医師 私は火曜・水曜の連休をいただいていて、パートナーも休みが同じなので、一緒に買い物に出かけたり、旅行やゴルフに行くことが多いです。院長や同僚とも休みが合えば、一緒にゴルフに行くこともあります。
― 以前は、今ほどプライベートの時間は確保できていなかったのですか。
長谷川医師 そうですね。大学院生の頃と前職の時期は、ほぼ仕事中心の生活でした。大学院時代は収入がほとんどなかったため、歯科医院のアルバイトを三つ掛け持ちして、祝日だけ休むような生活を送っていました。大学院を卒業した後も、担当していた患者さんがいらっしゃったため、すぐには辞められず、2年ほどはそのスタイルを続けていました。
― 今の長谷川先生の価値観として、「勤務時間・休日・年収」の中で優先度が高いのはどれですか。
長谷川医師 一番は年収です。ただ、プライベートも大切にしています。掛け持ちで働いていた時期は、プライベートがほとんどありませんでしたので、その反動もあって、今は「年収も維持しつつ、プライベートも充実している」という状態を大事にしています。
年収もプライベートも両立できる環境
― 健誠会を選んだ決め手は、やはり年収とお休みのバランスだったのでしょうか。
長谷川医師 そうですね。健誠会は報酬水準が高いので、休日が増えても自分が求める水準を十分に確保できています。転職前は、「報酬が高い分、かなりハードに働くことになるのではないか」と少し不安もあったのですが、実際に働いてみると、そのような心配は不要でした。
毎日の診療は充実していますが、その方が時間の経過も早く感じますし、自分には合っていると感じます。「しっかり稼ぎたいけれど、休暇も確保したい」「自分のこだわりも大事にしたい」という方には、かなりフィットする環境だと思います。
― 先ほどの「う蝕検知液」を使った診療は、時間を要するとのことでしたが、それでもご自身の選択として継続できる状況なのですね。
長谷川医師 はい、可能です。きちんと説明したうえで、自分の診療スタイルで一定の裁量を任せていただいています。もちろん、全体の診療フローや患者さんの待ち時間には配慮しますが、そのうえで「ここは譲りたくない」という部分は尊重してもらえていると感じます。

大きな法人ならではの魅力
― 健誠会は、歯科医院の中でも比較的規模の大きな法人だと思いますが、そこに所属するメリットや魅力をどう感じていますか。
長谷川医師 まず、多様な先生方の考え方を学べるのは大きいですね。診療のアプローチひとつ取っても、「このようなケースではこう考える」「この材料を選ぶ理由はこれ」と、それぞれの先生の知見や視点があって、非常に勉強になります。多様な先生方の症例・判断を間近で見られるのは、一人院長のクリニックでは得られないメリットだと思います。
歯科衛生士さんにとっても、働きやすい環境だと感じます。スタッフそれぞれに適度な余裕があるためか、雰囲気が良好ですし、歯科医師同士の関係性も良いですね。「充実しているけれど、ギスギスしていない」というバランスは、貴重な環境なのではないかと思います。
入職を考えている方へ
― 最後に、これから転職を検討している歯科医師の方へメッセージをお願いします。
長谷川医師 収入と休暇のバランスをうまく取りたい方はもちろん、収入を重視される方も、出勤日数を増やすことで十分に対応できます。自分のペースで診療を進めつつ、忙しい中でもある程度の裁量を持って判断したい方には、とても良い職場だと思います。
「自分の診療スタイルを尊重してもらいながら働きたい」「年収もプライベートも両立したい」「多様な先生方から刺激を受けて成長したい」、そんな方には、健誠会グループは非常に合うはずです。まずは見学だけでも、雰囲気を確認しに来ていただけたら嬉しいですね。